─────これは、星降る街の物語・・・
【情報屋『花屋』】
ノアで活動する情報屋。
10年ほど前から活動をしていて、徐々に業績を伸ばしている。
認知度は、表社会では密かに都市伝説のように語られる程度。だが裏社会ではかなり名が知れ渡っていて、常連も多い。
『花屋』という呼び名は、客達が勝手につけたもの。
理由は、情報屋として客の前に姿を現わす人物が自らを“ウツギ”と名乗っていることと、彼が花のブローチをつけていることから。
ボスであるウツギを中心に、複数の部下達がいる。
部下達は情報屋であることを隠しながら情報を掻き集め、ボスに集めた情報を渡す。ボスは部下達が集めた情報を纏め客に売っている。
情報屋として名乗り客の前に出るのはボスであるウツギのみ。部下の存在は公表しておらず、客から見ればウツギが一人で商売をしているように見えるだろう。中には部下がいることに勘付く客もいるようだが。
部下達には一人一人植物の名前からとったコードネームが与えられている。
これは、自分が『花屋』と呼ばれていることを知ったウツギが、面白がってつけたものらしい。
個人や大企業が公に知られてはならないような情報…例えば汚職や犯罪の情報なども数多く握っている為、そういった表向きの企業からはその存在を疎ましく思われており、ハンターなどを使って存在を抹消しようと、常に狙われている。
だが、この情報屋のバックには裏社会を牛耳る巨大犯罪組織、〝ノワール・ソレイユ〟の影がある。
そもそもノワール・ソレイユという組織は、〝幹部〟
と呼ばれる強大な影響力を持った犯罪者が、ハンターや警備隊に対抗する為に協力体制をとって出来上がったもので、その関係は意外と脆い。水面下では他の幹部を貶めようとする画策やら争いが飛び交っており、其れが他の幹部の耳に入ろうものなら、一瞬で瓦解してしまう程には。
そんな情報すらもこの情報屋は多く握っている。ハンターに彼等が捕まるような事があれば、そういった情報全てを公にしてしまうのでは無いか。そう考えたノワール・ソレイユは全体の意向として、『花屋には手を出すな。』という暗黙の了解が存在する。また、彼等『花屋』の護衛の要請を受け、ハンターから彼等を守らざるを得なくなっている。
と、犯罪組織、ノワール・ソレイユが協力せざるを得ない状況を『花屋』は作り出しており、中立的な立ち位置を上手く保ち続けている。